Nike Air Max 1

エア マックス 1

1980年代半ば、ナイキは快適なエア・クッションをアピールするシューズをデザインする使命を帯びていた。しかし、その仕事はそう簡単ではなく、ブランドのデザイナーたちは実行可能な解決策を見つけるのに苦労した。そこで新たな視点が必要となり、建築家のティンカー・ハットフィールドがこの課題に挑むことになった。彼はインスピレーションを得るためにパリに派遣され、有名なポンピドゥー・センターの型破りなデザインに基づいたアイデアを携えて戻ってきた。その結果、ナイキ エア マックス 1として知られるようになった大胆な新しいスニーカーが誕生した。

エアマックスの革新的なポイントは、ヒールの両サイドに設けられた長方形の窓で、そこから内部のエアバッグが見えるようになっていた。一部のナイキ社員はティンカーのデザインに懐疑的で、構造的な安定性や奇抜な外観に疑問を抱いていた。しかし、同僚のデビッド・フォーランドの強力なサポートがあり、特にエアマックスユニットが完成してからは、生産が開始された。それでも、最初の一足が製造されて間もなく、エアバッグが低温下でひび割れを起こすことが判明し、ナイキはすぐに設計を練り直し、低温に対応するのに十分な安定性を持つ小さな窓を設けた。

1987年に登場したエアマックス1は、高度なクッショニングを備えたスタイリッシュなランニングシューズとして売り出された。ジョン・マッケンローやマイケル・ジョーダンといったスポーツスターを起用した有名な広告では、その運動能力が強調され、ビートルズの名曲「レボリューション」がフットウェアデザインの新時代を象徴するものとして使われた。この広告は大成功を収め、ナイキはすぐにエア・マックスのコンセプトに基づいたスニーカー・ライン全体を確立することを決めた。その一方で、ティンカー・ハットフィールドのシューズデザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、ブランドの最も有名なシルエットのいくつかを生み出した。

ナイキは今もエアマックスのテクノロジーで革新的なことをしているが、オリジナルのシューズが忘れ去られることはない。長年にわたり、atmos、Patta、Travis Scottなどとの印象的なコラボレーションを通じて、エアマックスは称えられ、Air Max ZeroやAir Max 1 '86のような代替モデルは、最初のエアマックスの製作にまつわる素晴らしいストーリーを伝えるのに役立ってきた。このような豊かな歴史を持つナイキ エア マックス 1は、ブランドの最も象徴的なシルエットのひとつであり、今日に至るまでスニーカーの展望を変え続けている。