adidas Handball Spezial

ハンドボール スペツィアル

1970年代後半、ドイツのスポーツウェアブランドであるアディダスは、自国でのハンドボール人気に反応し、ペースの速いこのスポーツに最適なインドアシューズを製造した。アディダス・ハンドボール・スペツィアルとして知られるこのシューズは、俊敏性とスピードのために作られ、グリップ力のあるラバーカップソール、洗練されたロープロファイル、耐久性のあるスエードアッパー、最小限のブランドロゴを備えていた。

この高性能なデザインにより、ハンドボール・スペツィアルは1979年の発売後、ヨーロッパのインドアコートで人気を博したが、すぐに1980年代のイギリスのカジュアルなサッカーファンの間にも広まった。

やがて、こうしたサポーターたちは英国でスペツィアルを普及させ、ブレイクダンスやアンダーグラウンド・ミュージック・シーンといった他のサブカルチャーにも取り入れた。アディダスは他のシューズに移行していったが、そのおかげで、ハンドボール・スペツィアルはより広い文化の中で存在感を保ち続け、ついに復活を遂げたときには、それを覚えている人が大勢いたのである。

スペツィアルの名が最初に脚光を浴びたのは、ブランドコンサルタントのゲイリー・アスプデンが2013年に立ち上げた、数十年前の名を冠したスニーカーベースのプロジェクトだった。最初の展示会でアスプデンは、アディダスのクラシックなスニーカーに注目し、ブランドの歴史について説得力のあるストーリーを語った。有名人のスニーカー・ファンから寄贈されたユニークなカラーリングで、ハンドボール・スペツィアルのような伝統的なシルエットを新しい世代に再紹介した。

アスプデンはadidas SPZLと呼ばれる新しいプロジェクトを任され、その後数年にわたり、古いモデルを現代のオーディエンスに紹介する回顧の旅に出た。メインストリームにその名を取り戻したハンドボール・スペツィアルは、2018年にアディダスが人気のオリジナルスラインの中核として復活させた。

2020年代には、アディダス オリジナルスはマストハブなスニーカーとなり、2023年には、ハンドボール スペツィアルはファッショナブルなセレブやインフルエンサーのSNSフィードに登場するようになった。一方、アスプデンはSPZLプロジェクトの10周年を記念して、スペツィアルの名前がさらに注目されるような素晴らしい展示会を開催した。やがてこのシルエットは、スポーティー＆リッチやキースなどのハイエンドなライフスタイルブランドとのスタイリッシュなコラボレーションに参加し、文化的な現象となった。

アディダス・ハンドボール・スペツィアルは、デザイン性の高いインドアスポーツシューズとして始まったが、40年以上の時を経て、今では時代を超越したライフスタイルモデルであり、現代のスニーカーカルチャーのアイコンとされている。